テーブルは、縦軸に、すでに造られたダムの現況を調べる項目@『造った』を置き、考察の基準が相反するA『造ろう』とB『造らない』を置きました。A『造ろう』は、計画中のダムは完成させ、今後も必要なダムは造っていくべき−との考えに基づきダム問題をとらえてみる項目、B『造らない』は、でき得る限りコンクリートのダムを造るべきではない−との考えに基づいてダムをとらえる項目です。横軸には『財政』『環境』『生活』『産業』『景観』『決定プロセス』の6項目を置き、それぞれが交わったところが議論点になります。  例えば、『財政』面からダムを考える場合、『造った』では“維持管理費はどうなっているのか”“費用対効果はどうか”などを点検。『造ろう』では“補助金返還による県財政圧迫”など、『造らない』では“国・県財政の危機的状況”などを点検します。    伊那毎日新聞ではこれら18(3x6)項目について紙面、画面(いなまいニューススタジオ)で1項目ずつ点検していきます。住民の皆さんが意見を交わすための"舞台"もなるべくたくさん用意するつもりです。納税者として、また、有権者として、あるいは受益者としての責任、義務も、この機会に一緒に考えてみましょう。テーブルで点検の対象とするダムは当面は天竜川水系に限ります。
 このテーブル方式は、ダムに限らず、問題の多い公共事業すべてのチェックに応用できます。親子で、そして各地の住民・団体・企業の集まりや学校の授業などで有効に活用されることを願っています。
 
  財  政 環  境 生  活 産  業 景  観 決定プロセス
ダム1基を新設するためには数百億円もの事業費が必要です。さらに完成後もダムにたまった砂を排除するなど維持対策に巨額の税金を投入しなければなりません。効果はどうなっているでしょうか。

Check!
費用対効果
維持管理費
建設当時の経済事情
川の流れを止めるダムは、水系の環境にさまざまな影響を与えています。天竜川水系に現在ある多くのダムが建設された時代には「環境」そのものへの関心も薄いものでした。

Check!
水系と生態系への影響
堆 砂
排 砂
古いダムが多く、安全性が気になります。上流では河床が上がり、下流では井戸水が枯れるという現象などが見られます。

Check!
治 水
上下水道
ダム本体の安全性
建設計画当時見積もった利水需要はどうなっているのでしょう。ダムがあることで地域の産業は良い方向へむかっているのでしょうか。

Check!
利水(工業用水・農業用水・電力)
水源地域の活性化
建設業・砂利採取業への影響
観光・レジャー産業への影響
川らしい瀬や淵が少なくなるなど、ダムによって川の姿そのものも変わり、周囲の景観も新たな道路ができるなど、それまでと違うものになっています。

Check!
ダム湖(たん水・親水公園)
巨大なコンクリート構造物
川の姿(河床・瀬・淵)
周囲の景観の変化
ダムの利点とともに、ダムのデメリットも当事者や住民に知らされてきたでしょうか。

Check!
情報公開とコンセンサスの範囲・手法・内容
納税者・有権者・受益者・国民の義務と責任
議会・首長の義務と責任
ダムは有効な公共事業のひとつである。また、計画中のダム建設を中止すると、これまで投じられた国の補助を返還しなければならず、ダムに代わる流域対策費を加えると県財政は破たんする。

Check!
費用対効果
建設費
補助金制度の利点
現在の経済事情
ダムの利水の重要な一部となっている水力発電は、大気などを汚染しない無公害の発電方法である。ダムの環境改善への努力も効果を発揮している。

Check!
環境アセスメントの実施
排砂の実施
水力発電は無公害
新しい水辺環境
流域住民の生命・財産を守り、安全な水を安定して確保するためにはどうしてもダムが必要である。遊水池などの代替案には実現性がない。

Check!
治 水
上下水道の安定的供給
コンクリートは安全
国土の有効利用
水使用量の伸びは鈍化しているが着実に増加している。工業出荷額も増え、良質な水が多く必要だ。農業生産性の向上にも水が欠かせない。

Check!
利水(工業用水・農業用水・電力)
水源地域の活性化
建設業・砂利採取業の振興
観光・レジャー産業の振興
ダム湖の新たな景観創出で潤いを求めて訪れる人も増えている。

Check!
新しい水辺環境
ダム周辺の整備
議会制民主主義に基づいた手法で住民に伝えるとともに、検討委員会で広く意見を聴いている。民意は選挙で選ばれた市町村長が代弁している。

Check!
情報公開とコンセンサスの範囲・手法・内容
納税者・有権者・受益者・国民の義務と責任
議会・首長の義務と責任
無駄な公共事業による国家・県財政の破たんが心配だ。納税者として有権者として不要を訴えるべきである。子、孫の代まで借金を返していかなければならない。

Check!
費用対効果
代替案の費用
補助金制度の問題点
現在の経済事情
ダムは水系や地球環境に大きな負荷を与える。としかえしのつかない状態になる前に川の生態機能を見直し、流域全体の治山・治水を体系的にとらえるべきだ。

Check!
堆砂による悪影響
水循環の分断
物質循環の分断
緑のダム
「あるから安全」でなく「ないから安全」の面からもダムを考えるべきだ。山、川、海のつながりに依存してきた生活を再認識すべきだ。

Check!
ダムによらない治水
広域受水による弊害
コンクリートは安全でない
河川氾濫を前提とした施策
産業にこれ以上水を使うことはないだろう。ダムを造らなければ生計が成り立たなかった建設業から、森林整備に取り組む林業への転換などを推進すべきだ。

Check!
利水(工業用水・農業用水・電力)
水源地域活性化につながらない
地域産業の構造転換
林業の振興
人間が手を加えない自然本来のもつ美しさが大切だ。ダムが砂をせき止めているために、美しい日本の海岸がなくなろうとしている。

Check!
川の姿(渓谷美など)
緑のつながり
ふるさとの風景
これまでの手法は、受益者への説明責任はある程度果たしていたかもしれないが、納税者に広く情報公開をして議論を高めることはしていない。

Check!
情報公開とコンセンサスの範囲・手法・内容
納税者・有権者・受益者・国民の義務と責任
議会・首長の義務と責任


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