2006年12月23日放送 

パカパカ塾の子どもたち

2006モンゴル大草原の夏

パカパカ塾まるごとどっぷりモンゴル体験ツアー

 パカパカ塾(箕輪町、春日幸雄塾長)は、今夏(7月27日〜8月1日)、3回目のモンゴル大草原で遊牧民との生活を体験した。
今年のモンゴルは、10年ぶりという恵みの雨が春先から降り、草原は濃い緑一色。これまでで最も長い5泊6日の滞在中、子どもたちは緑の中でモンゴルの大自然、いきものたち、遊牧の暮らしを体いっぱいで受け止めた。
パカパカ塾は、ポニーの世話や乗馬を通して、子どもたちの自立する力を育もうと設立され、現在は特定非営利活動法人として運営されている。モンゴルとの交流は、子どもたちを「柵のないところで思いきり馬に乗せてやりたい」という春日塾長の思いがきっかけだ。以来、縁あって、首都ウランバートルから車で約3時間のボルノール村を毎年訪れている。
春日塾長は、「厳しい自然と対峙しなければならないモンゴル遊牧民の暮らしを知る中で、今の日本の生活では経験しにくい『困った』という体験をしてほしい。その経験によって成長してほしい」と話す。子どもたちは、言葉が通じる日本人の友達がいない環境の中で、「困った」経験を積み重ね、大自然やいきものたちの大きな力に支えられて、自分なりの一歩を踏み出していく。
一方、昨年、新しい取り組みとして、ホースオーナー制度も始まった。
 交流が深まる中で、「もっと別の形で、息の長いかかわり方ができないか」ということから始まったこの制度は、日本で遊牧民の馬のオーナーを募り、その馬の世話をお願いするためのお金を託すというもの。経済的な理由で十分に就学できない子どもたちも多い遊牧民の暮らしを、このオーナー制度が支えていこう―という呼びかけに、現在までに40人余のオーナーが賛同している。
 そしてこの夏、そのホースオーナー制度に大きな実りがもたらされた。昨年から3人の日本人がオーナーになっている馬を飼育しているウラナさんが、モンゴル国立医科大学に合格したのだ。実は昨夏、ホースオーナーの契約に訪れた時、春日塾長は、ウラナさんの父親ダイメさんの「成績が優秀なウラナを、ぜひ医者にしたい」という願いを聞いていた。しかし、ダイメさんは昨年冬、急に亡くなり、春日塾長もウラナさんの進学を心配していたという。
ウラナさんは「父も天国で喜んでいると思います。小児科の医師になりたいと思っています」と話し、ウラナさんの兄ミーガさんは「もしもホースオーナーのお金がなくても、家畜を売ってでもウラナを進学させてやるつもりでした。オーナー制度は本当にありがたかった」と春日塾長に伝えていた。
 今夏、モンゴル大草原を訪れたのは、ホースオーナーを含めて約20人。その6日間とモンゴル遊牧民の暮らしの一端を写真で紹介する。

柵のない大草原を駆ける。モンゴルの子どもたちは、たくみに手綱をあやつりながら、上手な馬の乗り方を教えていた


ホースオーナー制2年目の大きな実り。オーナーの馬を3頭託されているウラナさん(左)と春日塾長。ウラナさんはモンゴル国立医科大学に合格し、オーナーが託しているお金はその学費に使われるという


ゲルの中は10坪ほどの広さ。まん中にあるかまどを中心に、必要最低限の家財道具がきちんと収められている。かまどで使う薪は、切り倒すのではなく、枯れたものなどを山から運び出して使っている。森林が少ないモンゴルでは、薪は貴重

遊牧民の食生活に欠かせないスーテーツアイ(ミルクティに似た飲み物)を作る。毎朝、自分たちの家畜の乳からスーテーツアイを作り、その日最初の1杯は外に出て空へ放たれる。大自然に感謝し、天に捧げるというこの風習は、毎日おこなわれている



生まれたばかりの山羊の赤ちゃんをつかまえるのも、仕事の一つ。家畜の世話をする仕事にまだ慣れない日本の子どもたちに、まず赤ちゃんをつかまえる仕事をまかせて、少しずつ家畜との距離を縮めているようだった

日本の子どもたちも乳しぼりに挑戦




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