2006年7月22日放送 

宮田学校給食を育てる会の皆さん

食でつながる子どもたち

安心安全を届けたい

朝、家の近くの畑で採れた野菜を食べること。当たり前だったそんな暮らしから遠ざかって久しい。新鮮な野菜や果物を新鮮なうちに食べ、そうした豊かな恵みに囲まれているふるさとを実感できたら―。そんな願いとともに、地域の子どもたちを育んでいこうと、3年前、宮田学校給食を育てる会が発足した。
現在、村内に住む会員の農家から、毎日、宮田中学校、宮田小学校に食材が届けられ、昨年度は約50品目、年間の給食食材のうち約3割を会員が育てた地元の作物が占めた。会員の農家では、子どもたちに安心、安全な食べ物を食べさせたい、おいしい食べ物を味わってほしいと、手をかけ、可能なかぎり無農薬有機肥料で栽培に取り組んでいるという。いなまいニューススタジオは、2週にわたり、この会の活動を紹介する。(写真左から、武田徹キャスター、吉澤小百合さん、有賀絹代さん、宮田小学校の野溝和人校長6年生の教室で)



50品目を学校給食に提供
武田 宮田学校給食を育てる会、発足から3年経って今一番感じていることは。
吉澤 地元の野菜を食べるということは特別なことではなくて、当たり前のことだと思っています。子どもたちに、安全で安心して食べられる地元のものを食べてもらう中で、地域と子どもたちがいろんなかかわりを持ってきて、それが自分たちの励みにもなっています。まだまだこれからできることがある―と感じています。
武田 宮田小学校では給食を残す子どもが少ないと聞きました。
野溝校長 心が通じているのか、あまり残さず食べてくれていますね。
武田 材料を提供している側としても、うれしいことですね。
有賀 うれしいです。私自身は、小さいころ好き嫌いがたくさんあって、学校給食は大嫌いでした。今日も子どもたちと一緒に給食をいただきましたが、自分で作っているものが使われていると思うと、さらにおいしく感じますね。
吉澤 今日の給食にも、たくさんの野菜が使われていました。子どもたちが残さずに食べてくれるのは、その気持ちが伝わっているからだと思いますね。
武田 今朝も野菜を納入したそうですが、朝、何時に起きて作業を―。
有賀 今朝は5時50分に起きて納入するタマネギを磨きました。土がついているといけないので―。収穫した時には、芽が出ないように酢をつけて保存しておきました。
武田 有賀さんのように、協力してくれる人たちは皆、新鮮なものを―と心がけて作ってくださっているんですね。
吉澤 毎回というわけにはいきませんが、朝採って届ける―ということを原則にしています。ダイコンを届けてくださる方は、朝4時に起きて、畑に行って採ってくるそうです。今日の給食に使われたダイコンも今朝採ったものです。
武田 納入している農家は何人ですか?
吉澤 会の仲間は11人ですが、その中にJA直売所があって、そこにたくさんの農家の人たちが納入していますから、協力者の数は50人近いと思います。その数もだんだん増えていますね。いろんな野菜がたくさん出せるようになりました。
武田 どんなところに気をつけますか。
有賀 草取りや虫も大変ですが、農薬はなるべく使わないようにしています。パセリを納入する時は何度も水洗いして、学校でもう一度確認して―。
吉澤 会の仲間には兼業で農業をしてきた人も多いです。また、専業農家として出荷している人もいますが、出荷する野菜とは別に空いた土地に学校給食用の野菜を無農薬で作ってくれています。
武田 冬、野菜があまり採れない季節はどうやって確保を。
吉澤 ジャガイモやタマネギ、ダイコンなどを多めに作って、貯蔵してくれています。
野溝校長 保護者の皆さんからも「ありがたい」という声が届いていまして、今年は食育に参画しようと計画しています。
武田 今、家庭であまり食育ができない状況もあります。宮田小学校のように、給食が一つのモデルになる面もありますね。
野溝校長 そうですね。学校給食でおいしいお米や野菜や果物を食べているということ、育てる会の皆さんの配慮など、子どもたちが家庭に帰って話をするでしょうから、逆に大人が子どもから学ぶ―ということもあると思います。
武田 宮田小学校では、野菜を作っているクラスもたくさんあって、食農にも力を入れているそうですが、実際に自分で栽培してみると、また食べ物に対する気持ちが変わってきますね。
野溝校長 ありがたさもわかると思いますね。子どもたちが、自分たちで栽培したタマネギに手紙を添えて直売所で販売したところ、買ってくださった人から「おいしくいただきました」という手紙が届きました。こういうことで、村の人たちとも交流ができていくといいと思います。

宮田小学校栄養職員・小林恵子さん(左)
「お知らせいただいた食材に合わせて、できるだけ地元のものが入るように献立を考えます。中には朝採りの野菜もあります。その季節の旬のものを子どもたちに伝えることができるので、本当にありがたいことです」
「子どもたちには、安全で安心なものの味を教えていきたいと思いますね。昔から、その地に育った子どもたちには、その地で育ったものを食べるのが一番体に合っているといいますから、そういうことを、今から子どもに教えていきたいと思います」

この日の給食。献立は、ご飯、豚汁、タンドリーチキン、サラダ。豚汁にもサラダにも地元野菜が使われている。タンドリーチキンの味付けにも、地元産のリンゴペーストが使われた。宮田小学校は年に3回、100%地産地消の食材で給食を提供する



宮田学校給食を育てる会
村内に住む農家が中心となり平成16(2004)年発足。それぞれの農家の得意品目を中心に計画を立て、小中学校の給食献立が作られる前に、各校の担当栄養士に納入できる品目を知らせ、各校ではなるべく会からの納入食材を活用できるように献立をし、発注する仕組み。納入されるものは、ブナシメジ、アスパラガス、タマネギ、ジャガイモ、小松菜、リンゴ、ブルーベリーなどで、昨年度は約50品目が届けられた。現在会員は11人で、中にはJAの直売所も入っているため、直売所に納入している多くの農家も協力している体制となっている。【吉澤小百合さん】宮田村学校給食を育てる会事務局。農事組合法人ひかり勤務。会の発足前からブナシメジを納入していたが、PTA役員だった時、できるだけ地元のものを子どもたちに食べさせたい―と、同会発足の発起人となり、以来、中心的に運営に携わる。【有賀絹代さん】パセリ、ジャガイモ、タマネギなどを納入している会員の一人。

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