| 武田 |
どうして、この高遠の桜守に。 |
| 西村 |
就職活動をする中で、こういう仕事もあるんだ、ということをまず知りました。専攻は違いましたが、おもしろい仕事だなと興味を持って―。 |
| 宇治田 |
自然とかかわる仕事としては、桜守という仕事はあこがれの職業でもあったので、もしチャンスがあればやりたい、と思っていました。そこに、ちょうど高遠の桜守の募集があって、この高遠に来ることになりました。 |
| 武田 |
若い桜守2人が加わって、たのもしいですね。 |
| 稲辺 |
そうですね。教える―というよりも今は一緒に、研究しあってやっています。1年の計画も3人で相談しながらやってきました。 |
| 武田 |
1年間、この仕事をやってみてどうですか。 |
| 宇治田 |
よかったと思いますね。もちろん、桜がきれいに咲いているのを見るとうれしいですし、お客さんに来てもらえるのもうれしいです。それと、一つの場所で四季を通じて自然を楽しめることがすごくうれしいです。 |
| 西村 |
楽しんでできる仕事だと思っています。 |
| 武田 |
高遠で生まれ育って、小さいころはこのふるさとをどう感じていましたか。 |
| 西村 |
この自然に囲まれていることが当たり前のようになっていましたが、4年間ほどここを離れていて、帰ってきてみて、いいところだと改めて思いましたね。 |
| 武田 |
これからは、どんな桜守として―。 |
| 西村 |
1年間、高遠の自然を見てきて、とても楽しく、素晴らしいので、もっと見ていきたいと思っています。 |
| 武田 |
この1年で一番つらかったことは―。 |
| 西村 |
もともと、高所恐怖症なので、高いところが苦手で、枝を剪定する作業など大変でしたが、ようやく慣れてきました。それと、初めての仕事で、あまり知識がなかったので、大変なこともありました。 |
| 宇治田 |
仕事は楽しいです。好きな仕事だということ、それからいい先輩や仲間に囲まれて、やりがいも感じています。伊那谷はいいところ。一生の仕事として、本当にいい仕事だと思っています。 |
| 武田 |
これから、どんな桜守に育ってほしいですか。 |
| 稲辺 |
桜を愛する気持ちを忘れないで、大事にして接してくれるように、そういう気持ちを持ち続けてもらえたらと思いますね。私自身も、森林組合に勤めていて山仕事をしていた時、木を手伝う、というか、木の仲間になるような気持ちで接していました。そういう中で、桜守につきましたから―。 |
| 武田 |
伊那谷に移り住んで8年になるそうですが、伊那谷の自然をどう感じていますか。 |
| 稲辺 |
谷、というよりも、とても奥が深いところだと感じています。 |
| 武田 |
これから、どんな桜守になりたいですか。 |
| 西村 |
この桜をもっともっと、日本全国の人に知ってもらいたいと思います。 |
| 宇治田 |
高遠城址公園は、桜だけでなく、いろんな自然もあるので、そのことも皆さんに知ってもらいたいと思います。例えば夏にはオニヤンマが羽化していたり、秋には紅葉もあります。冬、雪がのっている桜の枝も情緒があってとてもきれいです。そういうところも、ぜひ見ていってほしいですね。皆さんが桜守のように、感じて、楽しんでほしいと思います。 |
| 武田 |
そうですね。桜の季節だけではなくて、散った後、葉桜のときも、きっといいでしょう。 |
| 稲辺 |
気持ちいいですね。 |
| 武田 |
伊那谷のたくさんの皆さんに、桜、そして木にもっと関心を持ってほしいですね。こうして咲いている桜を見ていると改めてそう実感します。 |
| 稲辺 |
桜も自然の一員ですから、桜以外の植物、自然すべてをもっと大事にしていきたいと思いますね。そういう目をまず向けてほしいなと思います。 |
| 武田 |
桜を楽しむことができるのも、葉桜になって緑を楽しむことができるのも、それ以前の管理、手入れがあるからこそ―。 |
| 稲辺 |
花の時期、葉の時期、枝だけの時期。いろいろな魅力をもっと知っていただきたいと思います。 |
| 武田 |
その魅力を最大限に引き出すためにこそ、桜守の皆さんの仕事が大切になってきますね。特に植物は話すことができませんから、その声を聞き取るような感覚がきっと大切なんだと感じます。 |
| 稲辺 |
そうです。観察して、聞いてあげることが大事です。それで花が変わってくると思っています。これから、また来年に向かって、声を聞く作業が始まります。 |