2005年12月24日放送
天竜川ゆめ会議 伊那青年会議所地球っ子クラブ
アカウミガメ放流ツアー同行記 天竜川いのちのリレー 〜砂浜がはぐくむもの〜
天竜川河口 砂浜とわたしたちの未来 「アカウミガメに出会ったよ」
伊那谷のほぼ中央を流れる天竜川は、諏訪湖から約213`旅をしながら、静岡県の河口から太平洋へ注いでいる。急峻な山岳地帯から流れる多くの支流と合流し、たくさんのダムで流れを変えられながらも、たどりついたその河口の砂浜は、アカウミガメをはじめ、貴重な生物たちの宝庫でもある。
アカウミガメは、河口近くの砂浜で産卵し、また海へ戻っていく。そして、その砂浜をふるさとにする子ガメたちは、約20年後、再びその砂浜を訪れ、産卵するという。希少種に指定されているコアジサシの営巣地もあり、その砂浜は生き物たちの生命を支え続けていくのだ。
しかし、ここ数年、さまざまな理由によって海岸侵食が進み、砂浜が減少、生き物たちにとって住みにくい環境に変わりつつある。その理由として、上流に建設されているダムの堆砂も指摘され、天竜川上流に住む私たちにとっても、重要な問題として考えるべきだろう。
今年9月19日。天竜川上流を活動の拠点とする2つの団体が「ウミガメ放流ツアー」をした。市民団体天竜川ゆめ会議と、伊那青年会議所地球っ子クラブ。いずれも、次世代に何をつないでいったらいいのか、そんなテーマを抱えながら、天竜川や伊那谷をフィールドに活動している。この日は、合わせて約100人の天竜川上流に住む子どもたちが参加。天竜川河口に広がる砂浜で、手の平より小さなアカウミガメの赤ちゃんを手にした天竜川上流の子どもたちは、砂浜に、小さな赤ちゃんに、何を感じ、思ったのだろう。
いなまいニューススタジオでは、武田徹キャスターがこのツアーに同行し、子どもたちとともに、砂浜とアカウミガメの赤ちゃんと出会った。
天竜川ゆめ会議は、浜松の海を守る会と交流。海岸侵食の様子や現状の説明を受けた後、上流から持ってきた「石」と、地元中学生が河口近くの砂浜で集めた「貝」を交換した。上流と下流、石と貝でひとつにつながる
交流会の会場には、上流と下流の石も展示された。上流では角張った石も、下流では丸みを帯び、やがて砂浜に―
天竜川ゆめ会議のツアーに参加した子どもたちと、地元の中学生は、「海岸侵食を止めるための討論会」も開いた。子どもたちからは「上流から砂を運ぶ」「ダムをなくす」「地域の人たちに川の大切さを知ってもらう」「人工で砂を作る」「砂漠から砂を持ってくる」「ウミガメが来られるようにきれいなところにしたい」―など、さまざまな意見や提案が出された(写真中・天竜川ゆめ会議福澤浩会長)
天竜川ゆめ会議
福澤浩会長の話
[実際にこの砂浜を見て、アカウミガメの赤ちゃんを放流してみて、砂浜がどんどんなくなっていっていることを知ってもらえればと思います。砂がなくなってしまったら、アカウミガメも産卵できなくなってしまうことがわかればと。あと10年、20年経ったら、もしかしたら、ここは湾になってしまうかもしれない―という話も聞きました。そうならないために、僕たちが何をしたらいいか、それを考えていかなければ、ということです。
あと10年したら、今日参加した子どもたちも大きくなっています。これからも、子どもたちと一緒に考え続けていきたいと思っています。]
天竜川ゆめ会議の子どもたちが運んできた上流の砂を、砂浜に撒いた。この日はじめて砂浜にやってきた子どもたちも多く、「粒の大きさが違う」「ここの砂浜は小さくてさらさらしている」と歓声
初めてアカウミガメの赤ちゃんを手にした子どもたち。手足をばたばたと力強く動かして、海へ向かおうとする勢いの強さに驚いていた
武田徹キャスター(左)も初めてアカウミガメの赤ちゃんを手に
サンクチュアリジャパン
アカウミガメの放流会
サンクチュアリジャパンは、天竜川河口近くの貴重な自然を保護するため、1985年3月に設立された自然保護団体。身近な自然をサンクチュアリとして保護し、自然観察会の開催や、自然・野生生物との触れ合いを通して子供たちの情操教育をしている。現在、文化財である遠州灘のアカウミガメの保護・調査活動や野鳥の生息地のサンクチュアリ化、コアジサシのコロニーの保護、海浜植物の保護調査などに取り組む。砂浜で産卵したアカウミガメの卵を保護、孵化させ、多くの人に砂浜の自然や生き物を知って、理解してもらおうと毎年放流会をしている。
今回の天竜川ゆめ会議、伊那青年会議所地球っ子クラブの放流ツアーは、このサンクチュアリジャパン主催の放流会に参加した。
製作:
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