| 武田 |
新しい市に向けての将来像。キーポイントになるのは。 |
| 小坂 |
特に、長い歴史を持ったそれぞれの3市町村。その中でも互いに風土も違い、風習も違う。それが急に一緒になることには、なかなか抵抗があるわけですね。そうした中で、今回は高遠、長谷には「地域自治区」を設けて、地域の声を新しい市に反映する組織を作ることになっています。今回の合併特例法の改正で設けられたものですが、期間は10年間。高遠、長谷には「総合支所」を置きます。その代表、区長(特別職)を置いて、その下に各団体から委員を集め、地域協議会を開催しながら、地域の声を区長を通じて新しい市長に伝えます。新しい市長は、その地域の重要な事項については、あらかじめ地域協議会の意見を聞かなければならないことになっています。そうして、10年かけてゆるやかな融合を図っていく―ということを決定させていただいています。 |
| 武田 |
高遠、長谷の皆さんは、どちらかというと、伊那市にのみこまれてしまう―と心配する声もあるかもしれません。そういう声にこたえるためにも、「地域自治区」を設けるということですね。 |
| 小坂 |
現在の伊那市の中にある7つの支所にも「地域自治区」が置かれます。今までも、自治会やPTA、社会福祉協議会などと任意の協議会を設けていましたが、新市ではあらためて、きちんと法律で定められた「地域自治区」を置くことにしています。そして、地域の声をまとめて、市へ提案していただこうと。地域の声が届きにくくなるということを防止するための組織をきちんと作ろう、ということです。 |
| 竹村 |
これまでは、住民の側も、どちらかというと行政依存だった面があったと思います。合併議論をきっかけに、住民自治そのもの、住民自治を充実させようということを考える機会になればと思いますね。また同時に、行政の意識改革として、前例にならってきたものを排除して、新しい取り組みをしようという機会に―。 |
| 小坂 |
今までは、すべて行政がやっていくという社会だったわけですが、これからは住民が積極的に行政に参加していく時代になると思います。伊那市もそうですが、これからは住民との協働をキーワードにしています。NPOや地域の団体が行政に深くかかわって、今まで行政におんぶしてきたことを、自分たちでやろう、という団体も出てきているので、そうした団体をまとめていくのに、この地域協議会が役割を果たすことができればと思っています。 |
| 武田 |
財政難が当然予想される中では、住民たちも、自分たちのことは自分で―という動きがなければやっていけなくなりますね。例えば、長谷村では、合併に反対という立場の皆さんの大きな理由はどんなところに。 |
| 宮下 |
財政的な問題。それと、大きなところに吸い込まれて、ふるさとがなくなってしまう―というような心情的な問題があると思います。 |
| 武田 |
そのあたりを「地域自治区」で吸い上げていこう、ということですね。 |