2001年4月14日放送 

始動 子ども未来センター検討委

子ども未来センター計画(南箕輪村大芝高原)を再検討するための有識者らによる委員会の初会合が6日、東京都千代田区の都道府県センターであった。自由討議で出された各委員の主な発言をまとめてみた。
初会合への出席者は、座長で武蔵野美大教授の柏木博さん、北里大教授の養老孟司さん、東京女子大教授の黒崎政男さん、ソニーフロンティアサイエンス研究所の竹内幸一さん、画家でエッセイストの宮迫千鶴さん、国際基督教大教授の村上陽一郎さん、地元代表で流通経済研究所(伊那市)社長の向山信二さんの7委員。田中康夫長野県知事は、足の治療のため欠席した。
写真:都道府県会館で開いた初会合

一本の樹プロジェクト
柏木
「一本の樹プロジェクト」のファイル
大芝高原は、地元の人たちが100年かけてつくった人工林。昨年夏、予定地では800本の木が伐採されてしまった。この事を記憶にとどめる意味でも、伐採された木を活用するプロジェクトを立ち上げたい。東京で一本のケヤキの伐採を巡って呼びかけられた「一本の樹プロジェクト」は、大きな反響を呼んだ。木の破片で家具を作ってもいい、玩(がん)具にしてもいい、火をたいて何か食べ物をつくってもいい。樹を記録に残す何かをやっておきたい。
宮迫 「一本の樹プロジェクト」には私の友人も参加した。こうした取り組みは、ごく普通のひとが、何でもない身近なことから市民活動に参加していける。出会いもあるだろうし、町の中でネットワークが広がってゆくのもいい。木を育てた人たちの思い出をきっちりと記憶し、もうひとつの表現に転化していくことはいい事だと思う。
柏木 木は、それぞれがオリジナリティーにあふれた活用をして、いずれは未来センターで展示するのもいい。
事務局 伐採した木は、2月の市(いち)で完売したが、柏木さんからの要請で4本だけ残してある。

村上 自分の専門分野の事を、専門外のひとにやさしく話すのには通常の5倍くらいのエネルギーを必要とする。(子ども未来センターに)何をどう入れ込んで、どう伝えるか、背後でものすごい準備が必要だ。準備のためのエネルギーと人がいるかどうかが鍵になる。
養老 大人が本気で面白いと思ったものが、子どもにとっても面白い。子どもは表現力がないだけで、大人と同じだ。ところが、面白いことを本気で子どもにやらせる大人がいない。「教育は人」と言われるが、今回も「人」がいるのかどうか?それににつきる。
竹内 「面白い」が入り口。(フランス製の飛び出す絵本を見せながら)写真機やレコードが聴ける、こんな楽しい1冊の本が子どもに影響を与えるかもしれない。この本を持ち帰った先生が子どもたちに本を見せながら対話できるかもしれない。1冊の本からの波及…、大芝高原がそのような発信基地になればいいのではないか。海外では、プレイバス(ミュージアムバス)が各地を巡回して、科学の面白さを伝えている事例もある。このように、建物にあまりこだわらず、「子どもの好きな遊び場」をつくりたい。バスも一台から始めればいい。

対象は子ども?
柏木 未来センターの対象は子どもだけなのか?子ども好きの大人も来る所なのか?
宮迫 生物としての子どもにこだわらなくてもいいのではないか。子どもの心を持った大人もいるし、「子ども」の枠を広げて考えたい。私たちの中には、子どものころ、科学の面白さを引き出して教えてもらえなかった人もいるのではないか。大人も再体験できる、2度目のチャンスを与えてくれるような施設になればいい。

これまでの基本構想
黒崎 きようは田中知事が欠席なので不明だが、すでに出来上がっている基本構想の方針を読むと、それなりにちゃんとできていると思う。なぜ、これがダメなのか?この場で、優れたアイデアを話すことも大切だが、なぜ、これまでの基本構想がダメなのかを考える必要がある。ダメなところがあれば、それを直す作業でいいかもしれないのだから。
竹内 基本構想はさておき、具現化が問題だったのではないか。(電通の示した)プランが、どこにでもある、ありきたりの科学館になっていたのではないか。
柏木 私も具現化が問題だったのだと思う。これまでの計画は、展示内容が作り込んだものが多いという印象を受ける。博覧会的内容になっていたのではないか。この検討委では、前の基本構想についても検討し、いいところは残す方針でいきたい。

地元の意見
向山 基本的に「南箕輪村につくる」「つくることを前提にして話し合う」「子どもを対象として設置する」─以上の3点を確認したい。地元の意見を聞く場を早期に設けてほしい。
柏木 この委員会で意見がもう少し固まってきた時点で、早急に地元の人たちの意見を聞く場を設けたい。

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