2001年4月7日放送 

問われる公共事業(1)

公共事業の費用対効果

子ども未来センター(南箕輪村大芝高原)の建設計画見直しや、下諏訪ダム建設中止問題など、私たちの身近なところでも、「公共事業」のあり方が問われています。
上伊那の公共施設や道路などには、どの程度の税金が使われているのでしょう?そんなところをスタート地点に、今回は公共事業の費用対効果について考えてみます。
写真:ここでも「費用対効果」が問われている子ども未来センター建設予定地

「費用対効果」一般家庭で言えば?
田中康夫知事の公共事業見直しの方針の一番手となった「子ども未来センター」の計画は、総工費が62億円あまり。景気低迷で税収も落ち込みを見せる中、大型公共事業の費用対効果が着工前に問われた形となりました。
一般家庭で言えば、ローンの支払いが厳しくなって先行きに不安を感じ、家族会議を開いている最中に、子どもの未来のために、森の中に別荘を建てようと言い出したようなものかもしれません。
支払いがかさむ厳しい家計の中から、大枚をはたくからには、納得のいくお金の使い方が求められるのは当然。家族全員で話し合い、一部から不安があったら、じっくりと検討してからでも遅くはありません。無論、別荘の間取りや庭づくりなどについても、業者まかせにせず、「あーでもない、こーでもない」と家族全員で練りに練るのが我々庶民感覚でしょう。
こうして、費用がかかっても、家族全員が納得する「効果」が得られる別荘が出来上がっていきます。家計が厳しければ、別荘の規模を小さくするのは当然の成り行きです。

難しい「費用対効果」の評価
上伊那の主な施設の総工費などは別表に掲げましたが、広域で運営する伊那中央病院が105億円、4月15日にオープンする伊那市の県伊那勤労者福祉センター体育館が11億円、伊那市民体育館が4億5千万円などとなっています。総工費のほか、維持費や用地取得費なども載せましたので、比較してみてください。
市民生活のあらゆる分野で進められている公共事業は、複雑多岐にわたっていて、一般家庭の支出とは比べられませんが、「費用対効果」が求められるのは当然のことでしょう。
価値観が多様化する中、「費用対効果」についてどのように評価していくのかは、難しい点も多く、今後とも公共事業の大きなテーマとなっていくことでしょう。
道路関係では、高遠町のループ橋が1メートル当たり800万円と突出していますが、大規模な構造物で、観光のシンボルとして建設された経過もあり、このようなケースの費用対効果のはかり方も難しいといえそうですが、みなさんの考え方はいかがでしょう?

写真左:15日にオープンの県伊那勤労者福祉センター体育館(総工費11億円)
写真右:建設中の新伊那中央病院(総工費105億円)


三重県が先駆的政策評価システム
三重県など、公共事業に優先順位をつける「公共事業評価システム」を先駆的に取り入れているところもあります。ホームページなどを通じて閲覧できるので、チェックしてみるのもいいでしょう。
ちなみに、長野県の政策評価制度は4月中旬にスタート、伊那市でも来年度から行政評価を試行するため、今年度から調査・研究をはじめています。

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