農林水産
家族の思いを込めた有機野菜づくりに励む 伊那市富県南福地 小森健次さん(31) 夏花さん(31) 一心君 [伊那毎日新聞]
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(2007/7/4)
夫婦二人、中央アルプスを望むこの地で農業を始めて3年が経過した。自分たちの作った野菜を食べてくれた人が元気でおいしく、幸せになれたら―と、農薬や化学肥料などを使わずに年間を通じて約50種類の野菜や米などを栽培。「七草農場」として、季節の野菜10品目前後を1セットとして、関東や関西方面の消費者へ定期的に届けている。
「今はまだ大変。やることがいっぱいあって朝から晩まで忙しいし、1日休むとつけが回ってくるから。技術もまだまだ」と健次さんは話す。
春から夏にかけ、太陽の光を浴びた作物たちはぐんぐん成長していく。たった一粒の種から芽を出し、さまざまな実を結ぶ姿に感動する一方、草との戦いも始まる。落ち葉で畑の表面を覆う「草マルチ」をして草が生えてこないようにしたり、手押し式の除草農機具で水田の草取りに励むものの、草の方も力強い生命力で日々成長し続けるため、朝は5時前から始まり、遅い時は夜の7時まで作業が続く。
「近所の人には『昔はうちもやっていたけどよくやるね』とか、『面白いことやっているね』なんて声を掛けられますね」と笑顔を見せる。
◇ ◇
百姓っていうのは生活に必要なものを全部自分で作る素晴らしいもの―。兵庫県で農業をしながら自給自足を営むある農家そんな言葉が、健次さん農業を志すきっかけとなった。その後健次さんは、有機農業で有名な埼玉県小川町の農家で1年間の研修を積み、夏花さんとともに伊那で農業を始める。
自分たちが食べたいものをお客さんにも食べてもらおう―と、研修で学んだ有機農業をもとに、さまざまな作物を栽培。自家製のぼかしや鶏ふん、キノコを栽培する時のおがくずなどを使った有機質肥料を使い、環境負荷のかからないやり方を心がけた。
しかし、農業の基礎は学んでいても、初めての地での生活は右も左も分からない。そんな若夫婦を周囲に住む人たちも心配し、さまざまな面から温かく世話を焼いてくれた。
「1年目は種まきや収穫の時期が分からないから、近くの直売所のおばちゃんやずっと長いこと畑をやっているおじいさんによく聞きにいっていました。『本当に農業だけでやっていけるのか』って真剣に心配してくれる人もいたけど、3年目になって、やっと認められてきたのかな」と夏花さん。
◇ ◇
野菜を通して、地域、消費者、同じ志しをもって農業に取り組む人と、さまざまな人とのつながりができ、生活の中にも拠点ができた。そんな生活の中、長男の一心君も生まれ、新しい家族も増えた。
「『今日はすごくいいな』って思える野菜が収穫でき、お客さんに送ることができると嬉しいですね。これからは養蜂もやってみたい。とにかく何でもいろいろやってみたいんです。『百姓』を目指しているので」
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